
「某生命保険から、現在の死亡保険が満了となり、次の保険への移行を案内されました。保険料がこれまでの月3000円から7000円になるそうで、このまま移行するか、別の保険にして保険料を見直し、NISAを活用するか迷っています。」
との相談を学校の先生よりいただきました。
職場で案内される教職員向けの保険…
保険は人生のリスクコントロールにおいてなくてはならないものですが、勧められるままに更新することで、気づかないうちに保障が過剰になってしまっている事例もあります。
私は、死亡保険を検討・見直しする際に以下のポイントを確認するようにしています。
- 死亡保険は何に使う予定か。
- 遺族年金、死亡退職金はいくらになりそうか。
- 他に死亡時に保障がある保険に入っていないか。
- 残された遺族が必要な資金はいくらか。
今回は、これらのポイントについて少し詳しくお話しします。
1. 死亡保険金を「何に」つかう?

まず、死亡保険に入るべきかどうかを判断するために、最初に考えるべきことがあります。 それは、「死亡保険金は何に使う予定か?」ということです。
家族構成や配偶者の収入状況によって、その使い道は大きく変わります。
- 独身・1人暮らしの方 葬儀費用や、身辺整理の費用など
- 既婚・配偶者収入あり・お子様がいる方 生活が安定するまでの当面の生活費、配偶者の収入だけでは不足する生活費、今後の教育費など
使い道が決まると、自然と「必要な額」も見えてきます。まずはここを想定することが大事です。
2. 死亡保険の検討で見落としがちな2つのポイント

使い道と必要額を考える際、多くの方が忘れがちなポイントが2つあります。
① 「遺族基礎年金・遺族厚生年金」を忘れていませんか?
公立学校の先生に万が一のことがあった場合、教育委員会から死亡退職金が支給されます。さらに、公立学校共済組合からは遺族厚生年金が支給されます。
また、高校卒業まで(18歳到達年度の末日まで)のお子様がいる場合は、それに加えて「遺族基礎年金」も支給されます。
つまり、「遺された家族に必要な生活費や教育費の全額」を、すべて民間の保険だけで準備する必要はないのです。「退職金や公的な年金をもらって、なお足りない分はいくらか?」を考えることが、無駄な保険料を抑えるコツです。
② 他の保険と「保障の重複」はありませんか?
検討中の保険以外にも、死亡時に給付金が出る保険(終身保険や養老保険など)に加入していないか確認しましょう。もしも他の保険に死亡保障があるのなら、更新のタイミングで保険金を減らす、そもそも継続しないなどの選択肢が取れるかもしれません。
3. 死亡保険見直しの「3ステップ」

次の3ステップでご自身に必要な保険金額を計算してみましょう。
ステップ①:必要額の算出
まず、万が一のとき、遺される家族に必要な額を計算します。
【計算式】 (今後かかる支出)ー(今後の収入)ー(既存の貯蓄・資産)
【今後かかる支出】
葬儀費、遺族の生活費(現在の7割程度が目安)、住居費、教育費、車両費、旅行や結婚などのイベント費など
💡 住居費のチェックポイント
住宅ローンで団体信用生命保険に加入している場合は、万が一のときにローン残高がゼロになります。その後の住居費は固定資産税や修繕費、管理費などのみになるため、必要な保障額が大きく下がります。
【今後の収入】
死亡退職金、遺族厚生年金、遺族基礎年金(お子様が対象年齢内の場合)、配偶者の収入など
💡 配偶者の収入のチェックポイント
配偶者の収入は、少し「少なめ(保守的)」に見積もるのがおすすめです。お子様がいらっしゃる場合、万が一の後は一人での育児となるため、これまでと同じペースで働き続けるのが難しくなったり、シッター代や延長保育などの出費が増えたりする可能性も考慮しておくと安心です。
💡 遺族年金のチェックポイント
30代〜40代教職員の遺族年金の目安です。あくまでざっくりとした目安ですので、おおまかな金額感の把握に使ってください。
配偶者 + 子ども3人: 遺族基礎 + 遺族厚生 約 16万円〜17万円 / 月
配偶者のみ(子なし): 遺族厚生年金 約 4.5万円〜 / 月
配偶者 + 子ども1人: 遺族基礎 + 遺族厚生 約 13万円〜14万円 / 月
配偶者 + 子ども2人: 遺族基礎 + 遺族厚生 約 15万円〜16万円 / 月
【既存の貯蓄・資産】
銀行預金、NISA、iDeCoなど、現在お持ちの資産です。
(NISAやiDeCoに関する過去記事)
・【長期・積立・分散】積立額はいくらにすればいいの?
・【長期・積立・分散】分散って何をすればいいの?
・【長期・積立・分散】長期って何年のこと?
ステップ②:他の保険との兼ね合いを確認
次に、すでに加入している他の保険や共済で、死亡時の保障がないかを確認します。
ステップ③:必要保険金額の決定
最後に、「ステップ①で算出した必要額」から「ステップ②の他の保険金額」を差し引きます。
残った金額が、今回の見直しで本当に準備すべき保険金額です。
4. 保険料と保障額のバランスを考える
教職員向けの保険は、職場で詳細に説明してもらえて、各種手続きもできるという便利さがあります。
一方で、「勧められるままに更新、保険料の増額」などしてしまうことで、気づかないうちに保障が過剰になってしまっている事例も見受けられます。(あくまで、私の主観です。)
死亡保険に限らず、保険は「保険料」と「保険金」のバランスが大切です。
通常の死亡保険にこだわらず、徐々に必要な保障額が減っていく合理的な仕組みの「収入保障保険」などを選択肢に入れると、保険金と保険料のバランスがとりやすいです。
公立学校の先生方に向けた、共済の解説動画なども公開しています!
ぜひ参考にされてください!



